【詩】或る幕

街を覆う夜の中で正しく光る建物
昨日まで他人だった者たちが ひしめいて
友達ごっこをしているよ
ほんとうに線をなぞったのは僕だけ
なのを知ったのは ほんの数時間後
流れる音はもうすぐ旅立つというのに
みごとにまがった背中
伸ばす気力もないから
誰かの脊髄を”そっと”差し込んでくれないかな
僕の知らない景色と鉢合せてくれるの
何を口ずさんだのかさえ忘れたのに
あの色だけ覚えている
君だけに与えられた
カラフルな痣


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