この瞬間が1日で1番好きな時間
画面に映る彼女はそう言い
平凡な呼吸で非凡な量の煙を吐いた
それは彼女の中に沈殿してる
醜い結晶が蒸発したようで
鬱くしかった
暗い部屋
ちょっと引きこもりな少女が
画面越しに邂逅した匿名の彼女
夜道で話す姿は”普通”なのに
彼女の空間に踏み込んだ途端
映るもの全てが”稀有”になる
佇む不思議な物体
気怠げに引き寄せ
湿った味を詰め
永遠の夜を拐かすように
凝固した哀を散らした
プラスチックの大蛇に口付けて
脱力した表情で陰鬱を放出する
熱蒸気が晴れた刹那のあなたは
美しかった
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