徘徊されたまち

魚ははねる沈んだ海で

偽物の輪を喪失した天使の声は

海の中では十分すぎるくらい

捧げられた緋は弾け

あの嘘のけたたましい味が

妙に忘れられなくて

(思わず)

ほんの一瞬だったのです

祈りを裁いてしまったのが

断絶断絶絶対断絶

あの海までがまさかね

娘によく似たうねり声

聞き違いでしょうか

(3回目に確認した娼婦の下卑た笑い声が何故だが懐かしいのです、下卑た、笑い、声が)

沈んだ記憶

掴むか妬むか悩みどころで

そうそう

新しい歌を覚えたんです

幼い姉が妹を待ちわびて作ったという

祈るような可愛らしい歌を

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