ねむり

丹念に

翳した夜半

恋は

薄ら

  薄ら燃えて

形骸化した幽霊

それらしき視野は月明かりの前では只の屑でして

星になろうなんて今時短冊に書くものなんてありゃしませんので

いつかの影を

舐めようとした匿名

の鱗

名を認めたら

受け付けて

しまうのです

一種の……虚ろいを

封じたのです

喘ぐ前に

昏睡前夜の或る砂漠

はびこる媒体

鏡合わせの欲を

なすなす

術は無し

「わざとです」

最終列車の弱さを罵り

鱗粉を放出する麓

最新の地図には掲載不可で──

いわゆる禁忌と言われております

揺籠の混濁

跳ねる哀

淡い悪夢

垂れて下げる

座長の尾

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