Poem 再生 鳥の脳によく似た古地図西の美術館は教祖と信者が入り混じり東の図書館はこの街が生まれる前から根付いていた烏と館主は同じ劇を目撃するいつ、どこで、だれが、はてた、どのようにそれを知るのはベイツの魔女館主は禁書を閉じ肩を竦めるーー魔女の愛を注がれ... 2023.07.21 Poem
Poem 芳醇な仕立て屋 大したことなかったよ幻想の奥で嘯く女のような音を聞いたのは唯一の事実時をひっくり返して何もかもをなかったことに零れ落ちた不幸せの鱗片珈琲に混ぜればバレない――乙女は小匙で救い魔女に委ねる最低な朝を蹴散らす鴉抉れた片目の行方は誰一人知るはずが... 2023.07.20 Poem
Poem アントートロジー 大丈夫この街の魔物たちが喰べてくれるから己の手を汚す必要はないのそれじゃあ宝物も隠そう誰が拾ってくれるかな北改札口にヒントがある人間、人間、人間、人間じゃないもの、魔物人間、人間、歪な形誰も私達なんかに興味ないから。俺は興味あるたった1人の... 2023.03.22 Poem
Poem 風 心は休むことを知らない虚無に抱かれた夜の寂しさ曖昧な判断力今を鵜呑みにするもう食べれないけど吐いたら負けだそう言い聞かせて感覚を鈍らせてもお見通しなアイツが一途に真髄を喰らいやがるもうあげない!全てが済んだらこの世で一番大好きで大嫌いなダー... 2023.02.08 Poem
Blog 304号室隅の端っこより。 ざわざわ。ざわざわ。今日はタイムラインが騒がしい。いつも賑やかだけど感触が少し違う。時間が経って状況がわかった。Twitterが凍結祭りなのだ。昨日もAPIが有料化になるという記事を目にしたというのに。仕事が早すぎる。そういえばいつもの時間... 2023.02.03 BlogPoem
Poem ベイツの魔女 腕に文字が刻まれている罅割れた水流のように奔放に散らばり腕が動く度その意味は変化する不安定な文字の味を彼は知らぬ紅の帳が落ちた頃森の奥から甘ったるい煙が輪廻を忌避する魂の如く叡智を這う記憶配列の如く支配された密林を疾走する彼等の故郷は乙女の... 2023.01.01 Poem
Poem 赤い人 ねえ赤いマフラーのお兄さんどうしたのそんなに慌てて今にも星が落ちてきそうな空なのに星よりも夢中な人がいるのねその意味を学んだ私は甘いケーキと苦いお酒を持って弾んだ気持ちと追いかけっこ急いで急いで空を見る暇もなく小さな手を重ねた雪の精とすれ違... 2022.12.17 Poem
Poem 某夜更け ネオンが夜を支配する街から見放された古いアパートのワンシーンレポートの最後の一文字を打ち込んだ新聞紙で5年前愛した男の名前を見つけた心の支配者へ苦情の手紙を書きつけた明日の展覧会の原稿を書いた尊敬する詩人のスクラップをなぞったお気に入りの銘... 2022.12.03 Poem
Poem Are you Monster/Sweet? ポストに入った白紙の藁半紙月光に翳すと浮かぶ筆記体それは年に一度開かれる不気味なパーティーの招待状今年のテーマはペルソナドレスコードは仮面この日のために誂えた朝焼けを映したドレスに袖を通し長い嘴を持つマスクをつけたなら迎えのベルが鳴り響く今... 2022.10.31 Poem
Poem 闇よ 宵に顕わる幽かな光に拐かされ今夜も逢えるかと闇に手を伸ばす独りと独り光と独りひとひらの慾望を暗澹に包んで哀しい季節に移ろう私の心も虚ろう闇よ夜よもう少し長く私のそばにいて 2022.10.16 Poem