Poem

Poem

白紙骸

それから読めなかった本が読めるタイミング1 12 3 5 81328小刻みの望絶持ってる定規の目盛りは違うのに五月蝿くない音が髄膜を引裂いてその破片で新たな命を包み慈しまれた法典──掻い潜り縫われた華の生命線は解放せし慟哭下り列車のライトに...
Poem

ママに殺される

「来年、お母さんは私を殺すの」夢の中の友人はそんな事を言った。現実でも仲良しなあの子、夢に来るのは初(私が行ったのかもしれない)そこで私とあの子は同級生になっていて母親に手を引かれ流れでドーナツショップにいた。小学生だったから意志は無視され...
Poem

再生

鳥の脳によく似た古地図西の美術館は教祖と信者が入り混じり東の図書館はこの街が生まれる前から根付いていた烏と館主は同じ劇を目撃するいつ、どこで、だれが、はてた、どのようにそれを知るのはベイツの魔女館主は禁書を閉じ肩を竦めるーー魔女の愛を注がれ...
Poem

芳醇な仕立て屋

大したことなかったよ幻想の奥で嘯く女のような音を聞いたのは唯一の事実時をひっくり返して何もかもをなかったことに零れ落ちた不幸せの鱗片珈琲に混ぜればバレない――乙女は小匙で救い魔女に委ねる最低な朝を蹴散らす鴉抉れた片目の行方は誰一人知るはずが...
Poem

アントートロジー

大丈夫この街の魔物たちが喰べてくれるから己の手を汚す必要はないのそれじゃあ宝物も隠そう誰が拾ってくれるかな北改札口にヒントがある人間、人間、人間、人間じゃないもの、魔物人間、人間、歪な形誰も私達なんかに興味ないから。俺は興味あるたった1人の...
Poem

心は休むことを知らない虚無に抱かれた夜の寂しさ曖昧な判断力今を鵜呑みにするもう食べれないけど吐いたら負けだそう言い聞かせて感覚を鈍らせてもお見通しなアイツが一途に真髄を喰らいやがるもうあげない!全てが済んだらこの世で一番大好きで大嫌いなダー...
Blog

304号室隅の端っこより。

ざわざわ。ざわざわ。今日はタイムラインが騒がしい。いつも賑やかだけど感触が少し違う。時間が経って状況がわかった。Twitterが凍結祭りなのだ。昨日もAPIが有料化になるという記事を目にしたというのに。仕事が早すぎる。そういえばいつもの時間...
Poem

ベイツの魔女

腕に文字が刻まれている罅割れた水流のように奔放に散らばり腕が動く度その意味は変化する不安定な文字の味を彼は知らぬ紅の帳が落ちた頃森の奥から甘ったるい煙が輪廻を忌避する魂の如く叡智を這う記憶配列の如く支配された密林を疾走する彼等の故郷は乙女の...
Poem

赤い人

ねえ赤いマフラーのお兄さんどうしたのそんなに慌てて今にも星が落ちてきそうな空なのに星よりも夢中な人がいるのねその意味を学んだ私は甘いケーキと苦いお酒を持って弾んだ気持ちと追いかけっこ急いで急いで空を見る暇もなく小さな手を重ねた雪の精とすれ違...
Poem

某夜更け

ネオンが夜を支配する街から見放された古いアパートのワンシーンレポートの最後の一文字を打ち込んだ新聞紙で5年前愛した男の名前を見つけた心の支配者へ苦情の手紙を書きつけた明日の展覧会の原稿を書いた尊敬する詩人のスクラップをなぞったお気に入りの銘...