Poem

Poem

失楽園

非道な天使の遺言は青天を貫く楽園の樹は暴発し果実に擬態する禁忌は形骸した惑星へ溢れた取り残された霹靂は自殺未遂胡乱な記憶を彷徨い法螺吹きヴィーナスの愛を請う「曰く付きの幸福を」形式的に祈る彼女の贖罪は現在進行系夢喰う獏は冥界に赴き死人の記憶...
Poem

待合室

捻くれた大人が独り待合室にいる微動だにしない動物や軽やかな音を無いものとし自我を爆発させる小さな哲学者の自論が空間のあちこちから響き渡る思考は跳ねるスーパーボールのように跳ねすぎて迷子になるでもいつか戻ってくる自由すぎて難しい自己主張の塊で...
Poem

鬱くしい

この瞬間が1日で1番好きな時間画面に映る彼女はそう言い平凡な呼吸で非凡な量の煙を吐いたそれは彼女の中に沈殿してる醜い結晶が蒸発したようで鬱くしかった暗い部屋ちょっと引きこもりな少女が画面越しに邂逅した匿名の彼女夜道で話す姿は"普通"なのに彼...
Poem

一騎打ち

愛しい愛しいわたしのダーリン今どこにいるの?静寂しじまを支配する狂気の産声酩酊した箱庭で味わった享楽五回も戯れたのに物足りないなんて笑えない冗句はやめて欲しいわ初めてのベッドは人間性と時間勝ち取った時間は溶けていた悲しい時は嗤い嬉しい時は目...
Poem

植物を飾れば気持ちが安らぐというから試しに一本、きれいな花を持ち帰った早く枯れないかなって期待してた気持ちはそんなに変わらなかった
Poem

夜明け

何の話をしていたっけ?時計の針は消えないし質実な光は休むことを知らないしもう散々たまには私に合わせてくれないかしらそんな戯言を呟いても叶わないのは承知言ってみただけって誤魔化すほらそこのお嬢さん退屈そうに欠伸をして脚を伸ばすあなたです何が不...
Poem

猜疑

最近眠りが浅くなった寝ても細切れに起きてしまうから夢を見てもそれが夢なのか記憶の断片なのかも曖昧になっている今夜もまた起きた深い闇に煙を吹かして瞬く星をからかってやった「良い子は深く眠るものよ」と母が口煩く言ってたけど私はもう悪い子になって...
Poem

Twitter詩

何かを吐き出したいのに相応しい言葉が出てこないのが一番厄介なのです。そこに留まっているのは分かっています。気配は感じます。何故姿を見せてくれないのですか。私はあなたに会いたいのです。
Poem

ベイツの魔女

腕に文字が刻まれている罅割れた水流のように奔放に散らばり腕が動く度その意味は変化する不安定な文字の味を彼は知らぬ紅の帳が落ちた頃森の奥から甘ったるい煙が輪廻を忌避する魂の如く叡智を這う記憶配列の如く支配された密林を疾走する彼等の故郷は乙女の...